【九州地域限定】幻のチョコアイス・バー・アルプスメイト

九州地域を代表する竹下製菓(佐賀県小城市)のチョコアイス・バー〝ブラックモンブラン〟があるが、
それと似たをチョコアイス・バーを幼い頃(昭和50年頃<1975年>)1,2度食べた記憶がある。
そのチョコアイスの名は〝アルプスメイト(発売当初は【ブラックアルプス】という商品名だった)〟だ。
真っ赤なパッケージに黒く縁取られたカラフルな文字が記されたパッケージ。その存在はとても曖昧なもので私にとっては幻のアイスなのだ。
(発売当時のパッケージ画像を基に加工させて頂いた画像です/アルプスの画像はPixabayより拝借)

〝ブラックモンブラン〟の2番煎じと呼ばれた〝アルプスメイト〟

〝アルプスメイト〟を発売していたのは九州(福岡県久留米市)に拠点を置く丸永製菓。
昭和37年(1962年)に発売以来、現在も愛されている〝あいすまんじゅう〟が有名な冷菓メーカーである。

〝ブラックモンブラン〟の竹下製菓(佐賀県小城市)と南九州・鹿児島の「ボンタンアメ」や「兵六餅」「南国しろくまアイス」で有名なセイカ食品と並び
九州を代表する三大冷菓メーカーの一つである。

    ※冷菓も手掛けている販売・企画部門をチロルチョコ株式会社として分離させ東京に本社を移し主に製造ラインを運営している松尾製菓株式会社<福岡県田川市>と西日本No.1の乳製品工場を持ち素材を生かした<主に業務用>アイス製品づくりをしている乳製品メーカーの弘乳舎<熊本県熊本市>は除外させて頂く。

〝ブラックモンブラン〟を中心とした親しみやすく長年愛される冷菓を作る竹下製菓、〝南国しろくまアイス〟を中心とした地元密着型の素朴な冷菓を作るセイカ食品。
そして幻とも言える〝アルプスメイト〟を一時期販売していた丸永製菓は和風テイストに特化したどちらかというと大人向けの冷菓を作っている。

独自の和風テイストな冷菓を作っている丸永製菓もアイスクリームが市場に出回り始めた60年代~70年代迷走していた時期に誕生した一つが〝アルプスメイト〟だったのだろう。
同じく迷走時代に発売開始となった風船にラクトアイスが詰まった〝恐竜のたまご〟は現在も発売中である。

〝ブラックモンブラン〟に追随したクランチ(ナッツ)系チョコアイス・バーたち

佐賀県にある竹下製菓で誕生した〝ブラックモンブラン〟の存在は昭和44年(1969年)当時、国内の冷菓業界を激震させた。
バニラのラクトアイス(平成10年<1998年>頃からアイスミルクに変更)にクッキークランチをちりばめたチョコレートをコーティングした
アイスバーはまだ市場には〝ブラックモンブラン〟だけだった。

発売開始とともに九州っ子の間でたちまち人気となり当時、少なくとも私の周囲ではアイスバーと言えば〝ブラックモンブラン〟まさに独壇場だった。

その後、冷菓メーカーや菓子メーカーが挙って追随していくのである。

同じ九州地区の丸永製菓が幻とも言える〝アルプスメイト〟セイカ食品もナッツをちりばめたBigサイズのチョコアイスバー〝デカバー君は食えるか!!(現在復刻版発売中)〟
有名菓子メーカーもグリコの〝パリポ〟森永乳業(旧エスキモー)のナッチョコ、明治(明治乳業)の〝うまか棒〟などがぞくぞくと発売されていった。

昭和のチョコアイスバー

しかし、令和元年(2019年)で製造終了となったうまか棒はロングラン商品の一つとして頑張った感はあるが、他の商品は時代の流れに消えていった・・・
昭和46年(1971年)に発売開始され本州で幅を利かせている林一二株式会社(センタンアイスクリーム/大阪府大阪市)の〝チョコバリ〟は現在も〝ブラックモンブラン〟と同様にロングランアイスとして愛されている。

    ※現在も発売中の昭和53年(1978年)発売開始のグリコ・ジャイアントコーンもナッツ系チョコアイスですがアイスバーではないので除外させて頂く

時代はアイスの個性化へ

厳選された素材を扱った高級志向なアイス、品質向上を目指しつつも発売当時と変わらない長年愛され続けるアイス、さらには独特のCM戦略で強かに消費者の購買意欲を煽り捲る冷菓業界の【ザ・セックスピストルズ】とも言える〝ガリガリくん〟の赤城乳業(埼玉県深谷市)など各企業独自の個性を光らせた冷菓が登場し、市場が豊かになったことは消費者にとっては誠に嬉しい限りである。

幻のチョコアイスバー〝アルプスメイト〟こぼれ話

TBSの素人参加番組「ぎんざNOW!(昭和47年~昭和54年<1972年~1979年放送>)」の「しろうとコメディアン道場」初代チャンピオンだったデビュー間もないラビット関根時代の関根勤さんが〝アルプスメイト〟のCMに出演していたことを鮮明に覚えている。

〝ブラックモンブラン〟や〝アルプスメイト〟などはバーの部分に当たり(もう一本もしくは50円、100円の現金)かはずれ(刻印されていない場合もあり)かが刻印されており、それがより一層当時のちびっ子たちの購買意欲に拍車をかけたことは間違いない。今になって思う〝アルプスメイト〟もっと食べておけばよかったと・・・

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事