結婚式のあの車の後部の缶々は一体何だったのか?
昭和に生み出された〝ナウなヤングに大ウケ〟なドラマやホームドラマ、他にはアニメや漫画などで、結婚式の場面によく、新郎新婦が車体の後部に空き缶が紐に繋がれた車に乗り込み無数の缶を〝カランコロン〟とけたたましく鳴り響かせ颯爽と披露宴会場から去っていく様子を列席者が見送るという場面を幾度か目にしたことがあるだろう。
そんな大仰な場面を見る度「〝カランコロン〟煩いなぁ」「何の意味がある?」「地元の警察が黙ってないだろ!」と口には出すことはなくてもそういうことを考えてしまう子ども時分の私だった。
当時から日本での結婚式・披露宴ではこのようなプランを勧める強者なウェディングプランナーは少なく道路交通法上、最寄の警察署に事前に届出が必要なため、積極的に取り入れる猛者(新郎新婦)も少なかったのが現実のようである。
その理由は海外、特に米国では二人の新たな門出はどちらかというと、人生最大の生涯一度(一般的に)のイベントであり列席者を楽しませるための〝パーティ〟という趣がある。一方、日本は肉親や親戚、仕事の関係者、そして友人らの前で新たな門出の柵(しがらみ)満載のお披露目〝儀式〟的な側面が濃いように思える。
家と家が繋がるものが結婚という概念が根強かった昭和の頃、現実では〝カランコロン〟はもっての外、当時は、海外に対する羨望もありドラマやアニメでそのような〝憧れ〟の象徴で描かれていたのかもしれない。
※これから披露宴を考えている方、ウェディング業界の皆さん・・・何だか申し訳ない。
ブライダル・カー(Getway car)の発祥はU・S・A(米国)
発祥は米国。日本ではブライダル・カーと呼ばれているが、発祥の地ではGetway carと呼ばれている日本語に直訳すると〝迷走車〟どのような経緯でそのような呼称となったのか?調べてみるも今の段階では私自身、まだわからない状態である。
なぜ?空き缶をつけてしまったのか?
花嫁の父が新郎へ娘を託すという気持ちを込めその〝贐〟として娘が履いていたいくつかの靴を車に〝願掛け〟ながら紐で結びつけ見送ったのが始まりという説がある。時代は流れ靴から空き缶に変わりあの〝カランコロン〟と鳴る音で周囲に幸せを報告し、さらに邪気を払うという二人の前途への〝験担ぎ〟のようなものと推測される。
親の思いは、時代を超え、万国共通なのかもしれない。
米国では二人の思いを反映させた装飾を施す車に乗る文化は今も健在であり、車だけに留まらずそれが時には、自転車、客船やボート、象や馬などの動物、馬車、トローリーバス、スキー用リフト、ゴルフカート、トラクターなどがGetway Carに変身するのであった実に多岐に富むその様は、流石自由の国〝U・S・A〟なのだと思い知らされる。
百聞は一見に如かずご覧あれ☟
17 Takes on the Wedding Getaway Car
話は戻らせて頂くが、空き缶を付け〝カランコロン〟は都市部ではほとんど見ることはなくなり、現存しているのは南部のカリフォルニア州や北部のミネソタ州の広大で交通量の少ない地域に僅かに見られるのみとなった模様。
日本でもブライダル・カーに乗れる?
ブライダル・カーによる演出が可能な式場や写真撮影などのプランを用意している私有地を有する会場や遊園地などがあるそうだ。まずはチェックして相談してみるのもいいかもしれない