稲穂 イメージ画像

実るほど 首を垂れる 稲穂かな ササニシキよ何処へ・・・(イメージ画像:写真ACより)

昭和50年代後半から巻き起こった銘米ブーム

昭和50年代後期(1970年代~)から、TVでやたらと〝コシヒカリ〟〝ササニシキ〟というワードが飛び交うようになり、この2大銘柄は〝高嶺の花〟的お米として一大ブームを巻き起こした。

毎日、当たり前のように食してきた〝白米〟のブランド云々に興味を持ちたくても、先立つものが豊かでなければTVのブラウン管の中で虚しく響くワードでしかなかったが、80年代バブル夜明け前になると〝コシヒカリ〟〝ササニシキ〟が当たり前のように店頭に並ぶようになり、いつしか食卓に欠かせないものとなった〝高嶺の花〟から〝国民食〟へとなった。

この2大銘柄を米農家たちが挙って作るようになったものの、度重なる冷害などで銘柄米・ササニシキの出荷量が減りながらもコシヒカリと人気を二分し続けていた。

しかし、平成3年(1991年)にフィリピンのピナツボ火山の大噴火の影響による、平成5年(1993年)の日本列島を襲った観測史上稀にみる冷害と翌年の猛暑により銘柄米・ササニシキが壊滅状態となり、それ以降市場から姿を消してしまった。

特に平成5年の冷害は全国の米が凶作となり、海外産の米を輸入するほどの状況であった・・・

コシヒカリに次ぐ作出面積を誇った銘柄米・ササニシキ

ササニシキは粘り気が少なく、和食と相性の良い〝控えめで上品なお嬢さん〟的印象のお米であった。粘りが少ないあっさりとした食感はお寿司や自宅で作るちらし寿司にも向いていた。

観測史上稀にみる冷害が日本列島を襲うまではコシヒカリに次ぐ作出面積を誇る2大銘柄米の一つだったのである。

そんな〝控えめで上品なお嬢さん〟は冷害に非常に弱く、ガラス細工のように繊細なお米でもあった。逞しく大地を踏みしめるかの様に粘り強く逞しい〝質実剛健〟ともいえるコシヒカリは現在、市場に流通する主力銘柄米

  • あきたこまち<秋田県>
  • ヒノヒカリ<宮崎県>
  • ひとめぼれ<宮城県>、
  • 森のくまさん<熊本県>

などの祖とも言える存在になっていったのである。

天候に左右されやすさとササニシキ特有の上品過ぎるあっさり感は、粘りと甘さを持つコシヒカリに敵わなかったことも一因であった。同じ品種(東日本の【亀の尾】西日本の【旭】)を祖としながらも2大銘柄の明暗がくっきり分かれてしまった。

銘柄米・ササニシキが米アレルギーを抑制することで再び注目される

市場から姿を消したと言われても、宮城県の一部、滋賀県、九州の大分県などで今も尚、ササニシキを作っている米農家もあり、流通量は少ないながらも販売されている。さらに純米酒の原料にもなりササニシキを冠にしたお酒も販売されているほどだ。

そんな中、米アレルギーに対し現在、あっさりした食味のササニシキを代表する〝うるち系米〟が注目されている。以下の3つがうるち系米(非コシヒカリ)と呼ばれる品種である。

  • ササニシキ(言わずと知れた低アミロース系のコシヒカリと人気を二分した銘柄米)
  • ササシグレ(ササニシキの親に当たる品種)
  • ミナミニシキ(ブランド米ブーム以前に九州地方<宮崎県で昭和42年作出/昭和50年に流通開始>で一般的に食されていたササニシキよりも食味があっさりしているうるち系米の一つ・現在は熊本県玉名市の米農家で作られている。)

アレルギー症状抑制とアミロースの含有率の高さで食後の血糖値上昇を緩やかにさせるとの報告がされている。

あっさりした食味は、ササニシキという品種が誕生する間にもち米の要素のある品種との交配がなく完全無欠の〝うるち系〟だったことがアレルギー症状を抑えるのではと言われており再評価され始めている。

ただし、米アレルギーでも誘因するものに個人差があるため、掛かりつけ医もしくは専門医に相談の上、試されてみては如何だろうか?決して自己判断で食しないようにお願いします。

日本人のソウルフード・お米のパラダイムシフト?いや原点回帰となるか?

銘柄(ブランド)米ブームが湧き起こって早40余年、その間私たちはふっくら炊き上がったお米のもっちり感や甘味を追及し、作る側も消費者のニーズに応え品種改良し続けた。しかし、これからの時代はそれ以前に食卓に並んでいた〝おかず〟を引き立てていたあっさり、さっぱりした食味の胃もたれしない、身体にやさしいうるち系米が見直され、その時代が戻ってくるかも・・・しれない。

炊き立てご飯

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