【ザ・昭和】女心くすぐる化粧品CMバトル 春篇 (70年代)

昭和50年代(1975年~84年)から昭和末期(1988年)にかけて激化した化粧品CMについてシーズン別にまとめてみた。もし誤りがあっても許してねン♪
70年代は口紅はオレンジ、レッド、アイシャドーはブルー、ブラウン系統が主流だった記憶あり(イメージ画像:写真ACより)

化粧品春のキャンペーン黎明期(1974年~75年)

  • 現時点では、化粧品春のキャンペーンと打ち出しタイアップという形で制作されたCMは
    1974年春・資生堂が初とされる。キャッチコピーは〝赤い花みつけた?
    CMソング=小坂忠さんの「赤い花みつけた(作詞:不明/作曲:ポール・ウィリアムズ)」。現在、牧師となりゴスペルシンガーである。
    CMモデル=宇佐美恵子さん。CMは宇佐美さんの顔と春の新色・資生堂ナチュラルグロウを並べていくだけのシンプルなCMである。
    商品名:資生堂ナチュラルグロウ・リップスティック(リップスチック表記)(FL)

    ※1974年は昭和49年

  • 資生堂75年春のキャッチコピー=明るく爽やかな〝彼女はフレッシュジュース
    CMソング=りりィの「彼女はフレッシュジュース」だが、この曲には原曲がありタイトルは「春早朝(作詞/作曲:りりィ/編曲:国吉良一)」である。
    75年3月にリリースされたシングル「しあわせさがし(作詞/作曲:りりィ/編曲:国吉良一)」のB面、
    今でいうカップリング曲であり、原曲とCM曲は歌詞が異なる。とても軽やかで楽しくなる可愛い曲だ
    CMモデル=マイティ・ルエランさん。CMのイメージにピッタリなキュートなモデル。
    商品名:資生堂ナチュラルグロウ・リップスティック(リップスチック表記)(FL)新発売
  • ※1975年は昭和50年

バトルの兆し。76年春資生堂に続けとカネボウ、コーセー参戦

  • 資生堂のキャッチコピー=〝恋のミルキーオレンジ
    CMソング=りりィさんの「オレンジ村から春へ(作詞/作曲:りりィ/編曲:国吉良一)」。
    昨年の〝彼女はフレッシュジュース〟からの続投となる。
    この曲は76年3月にリリースされたシングル「家へおいでよ(作詞/作曲:りりィ/編曲:坂本龍一)」のB面(カップリング)。
    CMモデル=パトリシア・ダムゾンさん。サイケファッションが似合いそうなモデル。
    後年、りりィさんは女優としても活動され、平成25年(2013年)放送のTBS日曜劇場「半沢直樹」では
    主人公の母・半沢美千子役で出演していた。その3年後に肺がんのため逝去(没年64歳)。
    商品名:資生堂ナチュラルグロウ・リップスティック(リップスチック表記)(FL)
    資生堂シフォネット・アイカラースティック(アイカラースチック表記)
  • カネボウのキャッチコピー=〝ギンザ・レッド・ウィ・ウィ〟
    CMソング=デイヴさんの「ギンザ・レッド・ウィ・ウィ(作詞:ロワソー・パトリック イヴォン・ガイ/作曲:佐藤健)
    フレンチポップをCMソングに起用。私自身記憶にないのだが、なかなかの良曲だ。
    CMモデル=モーディ・ジェームスさん。平成12年(2000年)にピチカートファイブのヴォーカルだった野宮真貴さんがカバーしている。
    商品名:当時の映像や詳細なデーターがないため不明
  • コーセーのキャッチコピー=〝やさしく軽くスピーディー〟〝パウダー・ファンデーション・フィットオン〟
    CMソング=ハイファイセットの「オー・ナイスフィット(BGMのみの可能性あり)」
    伝説的フォークグループ・赤い鳥のメンバーだった山本俊彦さん、妻の山本潤子さん、大川茂さんで結成されたコーラスグループ
    CMモデル=杉本エマさん。歌手、女優でもあった。
    ハイファイセットは実力派のコーラスグループであっただけに70年代は彼らの歌声はCMソングとして頻繁に耳にしていた。
    山本潤子さんは松任谷由実さんの「あの日に帰りたい(作詞/作曲:荒井由実<現・松任谷由実>/編曲:松任谷正隆 1975年リリース)」や
    松田聖子さんの「Rock'n Rouge(84年春<昭和59年>・カネボウキャンペーンソング 作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂(松任谷由実)/編曲:松任谷正隆)」の
    バックコーラスで美声を響かせた御仁でもあった。
    商品名:業界初のパウダーファンデーション・フィットオン。花柄をあしらったゴージャスなコンパクトだった
  • ※1976年は昭和51年

77年春資生堂vsカネボウvsコーセー

  • 資生堂のキャッチコピー=〝マイピュアレディ
    CMソング=尾崎亜美さんの「マイピュアレディ(作詞/作曲/歌:尾崎亜美)」
    CMの為に自身で書き下ろしを歌った尾崎亜美さんは当時19歳だったという・・・天才というしかない。
    CMモデル=小林麻美さん。彼女はオレンジ色のパーカーが良く似合うショートヘアのまさしくピュアな女の子だった。
    商品名:資生堂クリスタルデュー・リップスティック(リップスチック表記)
    女性支持が強かった小林麻美さん効果でリップスティックは売れに売れた。
  • カネボウのキャッチコピー=〝ピンキッシュくん 春はくちびるあたり〟
    CMソング=ジュリー・バタイユさんの「シャンテ・シャンテ・ピンキッシュ(作詞/作曲者は未確認。)
    昨年と同じくフレンチポップを起用するもCM映像発見できず。この曲も軽快で春らしく本当に良い曲。
    CMモデル=ソフィ・デカンさん。
    商品名:当時の映像や詳細なデーターがないため不明
  • コーセーのキャッチコピー=〝赤くなれ。春になれ。〟
    CMソング=ペトロ&カプリシャス(高橋真梨子さん時代)「ぜんまいじかけ(作詞:沢口義明/作曲:ヘンリー広瀬)
    しっとり情感あふれる真梨子嬢の歌いっぷりはどちらかというと春より秋にピッタリな印象だ。
    CMモデル=コーラ・ヨーカムさん。
    商品名:当時の映像や詳細なデーターがないため不明
  • ※1977年は昭和52年

78年春は大人な資生堂vsミステリアスなカネボウvsセーラ・ロウエル登場のコーセー

  • 資生堂のキャッチコピー=〝メロウカラー 時間よ止まれ くちびるに
    CMソング=南沙織さんの「春の予感 I've Been Mellow(作詞/作曲:尾崎亜美)」
    作詞作曲は昨年の「マイピュアレディ」が好評だったこともあり尾崎亜美さんが続投。
    初めて他の歌手に楽曲を提供した記念すべき曲でもある。
    CMモデル=高原美由紀さん。ふわふわした通常の春のキャンペーンイメージとは異なり、落ち着いた大人な雰囲気のCMであった。
    商品名:資生堂ベネフィーク・グレイシィ・リップスティック(リップスチック表記)新発売7色
    資生堂スプレンス・クリスタルデュウ・リップスティック(リップスチック表記)新発売2色
  • カネボウのキャッチコピー=〝女王蜂のくちびる〟〝女王蜂のリップスティック〟
    CMソング=塚田三喜夫さんの「愛の女王蜂 東宝映画【女王蜂】智子のテーマ(作詞:松本隆/作曲:三木たかし/編曲:若草恵)」
    塚田さんはミュージカル俳優。
    CMモデル=中井貴恵さん。昭和の銀幕スタア・佐田啓二さんは実父。実弟はご存じ中井貴一さん。
    なんとっ!!横溝映画大ブームだった影響もあり映画「女王蜂」とのコラボレーション。
    CMでは共演者の金田一耕助役の石坂浩二さん、監督の市川崑氏まで登場する化粧品CMではありえないぐらいの衝撃的なCMだった
    春のキャンペーンという印象が薄い。
    商品名:口紅とグロウを一つにした二重口紅・カネボウリップスティック5色 新発売
  • コーセーのキャッチコピー=〝君はプリズム〟。
    CMソング=庄野真代さん。
    CMモデル=セーラ・ロウエルさん。76年の杉本エマさん、77年のコーラ・ヨーカムさんもほぼ年間通してCM出演しており、
    セーラ・ロウエルさんも同年秋、79年春、79年夏、80年春、80年秋のコーセーのモデルを務めることになる。
    その後は司会、女優、歌手などこなすマルチタレントでもあった
    残念ながらセーラさんは平成23年(2011年)に子宮頸癌の為逝去(没年50歳)。
    CMソングを歌っていた庄野さんは同時期に「飛んでイスタンブール(作詞:ちあき哲也/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀)」が大ヒット中でもあった。
    この時のCMソングはどのような曲なのか不明。2年後の80年春にポーラの春のキャンペーンCMソングを歌って大ヒットさせてしまうのだった。
    商品名:当時の映像や詳細なデーターがないため不明
  • ※1978年は昭和53年

79年春は劇的レッド資生堂vs君薔薇カネボウvsリリカルコーセー第4のポーラ参戦!

  • 資生堂のキャッチコピー=〝劇的な、劇的な春です。レッド
    CMソング=実写映画「ベルサイユのばら」メインテーマ「Im'a Lady(作曲:ミシェル・ルグラン)インストゥルメンタルVer」
    メリー・クレイトンさんが歌っているVerも存在する。作詞者は不明。
    CMモデル=カトリオーナ・マッコールさん。実写版でオスカル役に扮した。
    ジャック・ドゥミ氏がメガホンを取り、フランス音楽界の重鎮・ミシェル・ルグラン氏が音楽担当、さらにベルサイユ宮殿で撮影されたという
    何ともまぁ豪華な実写映画「ベルサイユのばら」この作品はどうも資生堂がスポンサーとなり企画は日本で立ち上げられたもの。
    当時のジャパン・マネーは凄かったんだなと痛感させられる。昨年春のカネボウの〝女王蜂の口紅〟に煽られたのかもしれない。
    商品名:資生堂ベネフィーク・グレイシィ・リップスティック(リップスチック表記)
    資生堂スプレンス・クリスタルデュウ・リップスティック(リップスチック表記)
  • カネボウのキャッチコピー=〝きみは薔薇より美しい
    CMソング=布施明さんの「君は薔薇より美しい(作詞:門谷憲二/作曲/編曲:ミッキー吉野<ゴダイゴ>)」
    ♪カワッタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア♪でお馴染みの名曲。
    CMモデル=オリビア・ハッセーさん。映画「ロミオとジュリエット」のジュリエット役で一世風靡したハリウッド女優。
    ハリウッド女優をモデルに起用したことでかなり話題になった。さらに布施明さんが歌ったCMソングも大ヒットしお二人は結婚するも後に離婚。
    このキャッチコピーは「ベルサイユのばら」の実写化の企画を立てた資生堂に対する対抗心から生み出されたコピーという逸話もあるが・・・
    そこでのCMモデルにオリビア・ハッセーを投入してくる・・・ジャパン・マネーって凄かったんだな・・
    商品名:カネボウ・イフG・クリーミィパウダー・アイシャドゥ/スリムリップスティック
  • コーセーのキャッチコピー=〝リリカルリップ
    CMソング=オフコースの「リリカルリップBGM」。小田和正さんと鈴木康博さんのツインヴォーカルで爽やかに〝リリカルリップ〟と歌われている。
    この後、オフコースは大ブレーク。日本音楽界を席巻。
    CMモデル=セーラ・ロウエルさん。満面の笑顔のセーラさんがシャボン玉と戯れる春らしいCM。
    商品名:コーセー・エスプリーク・リップスティック
  • ポーラのキャッチコピー=〝私のハートはストップモーション〟
    CMソング=桑江知子さんの「私のハートはストップモーション(作詞:竜真知子/作曲:都倉俊一/編曲:萩田光雄)
    CMソングが春風のようにすべてを吹っ飛ばしてしまった程の名曲で大ヒット。
    私は時折発作的に聴いてしまうほどのパワーある曲。CMは海外のモデルが全力疾走していたような記憶があるが定かではない。
    爽やかなCMであったことは間違いない
    商品名:ポーラ・バリオ
  • ※1979年は昭和54年

70年代化粧品春のキャンペーンについてはここで終了。(誤情報、誤字、文脈に誤り発見時は随時、訂正致します。)次は80年代へつづく・・・

この記事を綴る際、参考にさせて頂いたサイト

化粧品CM戦争キャンペーンソング比較年表

再販撤廃の足音、1974年には大幅に縮小

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