80年代が生み出した幻の迷・飲料・HI-Cファイブアライブ

※ネットの情報をもとにファイブアライブ250ml缶のデザインを再現したものです。
ロゴ(書体)や果物の配置を完璧に再現することは不可能でした。(画像はPixabayから集めて合成し再現)

5つのフルーツを詰め込んだ贅沢なHI-Cシリーズ・ファイブアライブっ!

私の記憶が確かならば、コカ・コーラ社が昭和56年(1981年)の春ごろに満を持して発売した。HI-Cファイブアライブ。しかし昭和を生きた人々の間では記憶に残っていないのか?ネットでの情報はかなり少ない。

パイナップル、りんご、桃、ぶどう、レモンという果物の王道中の王道を詰め込んだ贅沢な果汁・清涼飲料なのになぜ?こんなにもマイナーなのだろうとしばし考えてみた。

すると、80年代初めに九州地区限定でのテスト販売で全国規模での発売に至らなかった幻とも言える迷・飲料であることが判明。

スッキリなのか?濃厚なのか?どっちなんだいっ!ファイブアライブっ!

九州生まれの九州育ちの私にとって、HI-Cファイブアライブの記憶は濃厚にあり、当時幾度か購入して飲んだものだ。CMも盛んに九州地方で流れ記憶にある人もいらっしゃるだろう。

ファイブアライブを飲んだ印象は、5つの果物が見事に相殺しており、摩訶不思議なフルーティーさがすっきりなのか濃厚なのか?どっちつかずな味だった。

そのことが〝全国規模への販路〟に繋がらなかったと思われる。可もなく不可もないフルーティーだけどパンチのない何とも言えない果汁・清涼飲料だった。ファンタのような炭酸飲料だったら〝アリ〟だったかもしれない。

HI-Cシリーズであるが故の悲劇。ファイブアライブっ!

HI-Cはコカ・コーラ社の主に清涼飲料水(一部炭酸飲料の商品もあった)ブランドの商標名であり、1940年代に米国のミニッツメイド社の一つのブランドとして誕生した。

HIはHigh(高い・高級)CはビタミンCを指し、高級でビタミンC豊富という意味で名づけられたブランド。そのため、果汁・清涼飲料に拘り続けコカ・コーラ社に買収後も果汁・清涼飲料ブランドとして70年代(昭和45年~54年)に日本にも上陸し、HI-Cオレンジ(昭和48年=1973年)HI-Cアップル(昭和49年=1974年)、などが親しまれたものだった。

5つの果物の詰め込んだ贅沢さが仇になって消滅してしまった悲劇の果汁・清涼飲料・ファイブアライブ😢。

ファンタ・フルーツパンチはファイブアライブの炭酸Verではない

ファイブアライブが全国発売に至らず静かに表舞台から消えた後、昭和58年(1984年)にファンタ・フルーツパンチが発売された。当時どの果物のフレーバーが使用されたのかは飲んだことがないので私にはわからない。ただし、ファンタ・フルーツパンチは果汁ではなくあくまでもフレーバーであるため、表舞台から消えたファイブアライブの炭酸Verでないことは明白である。

2015年11月にファンタ・フルーツパンチは限定復刻された。その時に飲んだ印象はファイブアライブのブドウのスッキリとした甘さとレモンの酸味は皆無であり、とにかく甘さと酸味、飲んだ後の鼻に抜けるサクランボなのか杏のどちらか判断できない香りが強烈だった。復刻版で使用された5つのフレーバーはリンゴ、桃、杏(アプリコット)、サクランボ、グァバであった模様。

HI-C消滅後はQooへ

コカ・コーラ社のHI-Cのブランドは消滅しQooとして、現在も果汁飲料、清涼飲料のブランドとして発売されている。

HI-Cブランドを誕生させたミニッツメイド社の製品は1999年以降コカ・コーラ社と明治と業務提携し紙パックなどの果汁飲料は明治が販売。マクドナルドやJALの機内のドリンクサービスなどの業務用果汁飲料はコカ・コーラ社の取り扱いとなっている。

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