レトロケーキ

画像:Pixabayより

ケーキ今昔物語 昭和はバタークリームケーキが定番だった

バタークリームケーキイメージ図
※バタークリームケーキのイメージ合成図(Pixabay)

口に広がるモワァっとしたバターの香り、食べた後の口の中の滑り感。その後襲ってくる胸やけと〇き気と頭痛・・・

幼少期、正直なところケーキが苦手だった。家族たちの誕生日やクリスマスに細やか乍らも、小さなケーキをワンホール買ってきて切り分けて食べていたものだ。

しかし、4歳当時、バタークリームケーキを食べた直後、(ここでは自重させて頂く)してしまってから以来、怖くて食べられなくなっていた

いつしか、母の気遣いによりアイスケーキになり、そして・・・生クリームケーキとなってからは俄然、大好物になってしまった。

冒頭から私事になってしまい恐縮しつつ、今回は昭和から現在にかけてのケーキについて少しばかり綴りたいと思う

昭和テイストのレトロケーキブームが徐々に再燃

イマドキポップなショーケース
※今時のショーケースの洒落たケーキたち。オーナーパティシエの心意気が伝わってきそうだ
色味がかなりPopだ・・私、オバサンは気後れするなぁ(;^ω^)(写真素材:AC)

時代は平成から令和となり、日本に於けるスイーツ事情は昭和とは比較にならないぐらい種類が増え、オリジナリティ溢れる個人経営の店から地元密着でありながらいくつもの店舗を抱える店、全国規模に店舗を拡大させている店、さらにはコンビニエンスストアもスイーツ業界に参入、今迄、遠方にまで足を運ばなければ味わうことができなかったスイーツでさえ、保存技術と物流の発達によりネットでお取り寄せが可能になった。そのことによりスイーツの飽和状態を引き起こしてしまったようだ・・・

今日的ショートケーキ
今日的切り分け型洋菓子ベリー系
※今日的なケーキたち。旬な果物を生かしたケーキやオリジナリティ溢れるケーキ、
素材に拘って作られたケーキ、抹茶などの和洋折衷なケーキなど種類豊富である。(Pixabay/写真素材:AC)

懐古的ショートケーキ
※こちらは懐古的とも言える素朴なケーキたち。現在でもスーパーなどのスイーツコーナーでお見受けする定番なケーキ
シンプルさは時代を超越する恐るべきケーキたちとも言える。(Pixabay/写真素材:AC)

そんな飽和状態の中、あの重ったるく口の中のもっちゃり感を懐かしむ声がにわかにあがり始めた。

その声とは、子どもの頃に食べたあのバタークリームケーキをもう一度と・・・
※いちご白書をもう一度とかあの素晴らしい愛をもう一度とかあったなぁ

最近、SNSにバタークリームケーキの写真を散見するようになり、今も尚、あの忌まわしきバタークリームケーキなるものが存在するのかと、胸の高鳴りいや胸のモヤモヤを抑えよく見るとそれはそれは美しく、夢心地な気分にさせるほどの愛らしい数々にしばし見惚れてしまった・・・

洗練されたバタークリームケーキ
※洗練された今日的バタークリームケーキ(写真素材:AC)

バタークリームは生クリームと比べると重ったるく、ふわっとした感じではなくニュルっとした感じ☜(あくまでも主観である)そのため、生クリームよりバラなどの豪華なデコレーションが可能。

レトロケーキと呼ばれるものの特徴としては、少々粗目のもっさりしたスポンジケーキにバタークリームをフロスティング。その上にはドレンチェリー(サクランボを水と砂糖で6回[1日に1回計6回]煮詰めた真っ赤な飾り用菓子)、アンゼリカ(蕗[フキ]の砂糖菓子)、アラザン(銀色の粒状の糖衣菓子)をトッピング。

メッセージプレートのベースは硬めのチョコレートもしくはクッキーでクリスマス用になるとサンタを模った甘~いメレンゲ菓子(プラスティック製のマスコットの場合もあった。)に、お家をウエハースで模りチョコを掛けたものが定番だった。

昭和50年代(1970年代後半)になると冷凍技術の向上により生クリームケーキが台頭しバタークリームケーキの需要が急激に減っていったと記憶している

生クリーム全盛となった頃、まだイチゴが通年目にすることが少なかったこともあり、缶詰の黄桃や白桃がトッピングやスポンジの間に生クリームと一緒にサンドされていた。

黄桃がサンドされた断面
※黄桃と生クリームをサンドした断面(写真素材:AC)

それに伴いドレンチェリー、アンゼリカがトッピングされた物を目にすることも少なくなっていった。

ドレンチェリーがあしらわれたケーキ
※大きいドレンチェリー、焼きリンゴ、マロンがあしらわれ、生クリームやバタークリームでもない。
マジパン(アーモンド粉末と砂糖混ぜ合わせた物)でトッピングされたクラシカル(王道的)なアーモンドケーキ。激烈に甘そうだ(Pixabay)

昭和テイストで忘れてはいけないマロンケーキ厳密に言うとチェスナットケーキ

栗は英語でチェスナット(Chestnut)と呼ばれ、マロンはフランス語のマロングラッセ(Marron glacé)が由来となっている。しかし、栗はフランス語でシェテーニュ(châtaigne)と呼ばれているので、マロングラッセのマロンとはいったい何なのか?調べてみた。マロンは砂糖で煮つけたり、火を通し加工したものを〝マロン〟まだ未加工で拾った状態のものを〝シャテーニュ〟と呼んでいる。マロンの語源はマロニエの実(セイヨウトチノミ)のことで、実際のところマロニエの実はあまりにも渋味とエグ味(舌にまとわりつくような苦み)が強く食用に適していない。しかしなぜ手を加えたシャテーニュをマロンと呼ぶようになったのか?フランス・パリではあまり栗の木がなくマロニエの木(セイヨウトチノキ)が多かったことからきていると言われている。若い実は弱毒性(アルカロイドのサポニンやグルコシダーゼ)があるも、熟した実は手間暇かけて渋みやエグ味を取るためにグラッセ(甘露煮)にしていた。

フランスの先人たちの苦肉の策から生まれた食品加工術だった(涙ぐましい)。

現在、フランス・パリではマロニエの実を使用することはなくなり、手軽かつ安全で美味しくグラッセできる栗を使用するようになった〝マロングラッセ〟という呼称はその名残りの模様。

ここから以下、馴染み深い〝マロン〟と書かせて頂く。

昭和テイストといえば、バタークリームやバターチョコクリームのケーキ、そして昭和50年代後半から台頭してきた生クリームケーキや缶詰の黄桃や白桃をトッピングしたレトロケーキ以外にあともう一つ忘れてはならない存在があった。それはマロンケーキ

マロンケーキ
生クリームにマロングラッセをトッピングしたマロンケーキ(写真素材:AC)

昭和の頃は、和栗と白あんを練ったペーストをスポンジにフロスティングした物や生クリームケーキの上に和栗のグラッセをトッピングしていた。しかし現在は、欧州(イタリアやフランス)の栗をふんだんに使ったモンブランを代表とするケーキが一般的となり、逆に和栗が希少となった現在は和栗のスイーツはやや高値で販売されたりしている。

現在のマロンペーストは市販のマロンペースト(バニラ、砂糖含主にフランス産)と生クリーム(店によるが少量のバタークリーム含む)を練り合わせたものが一般的となっている。

※ちなみに日本国内の和栗の出荷量ベスト5(令和元年)

  • 一位・茨城県 2840t
  • 二位・熊本県 2530t
  • 三位・愛媛県 1140t
  • 四位・岐阜県 616t
  • 五位・宮崎県 521t ※須木村産の栗はデカく旨い

昭和テイストのレトロケーキはまず愛でよう

昭和テイストなレトロケーキを懐かしみそれが再燃することは、その時を知っている者は懐かしく、その時を知らなかった者にとっては新たな感覚を味わい、愛でることができる良い傾向だと思う。

最近のバタークリームケーキは昭和時代のそれとは違い、かなり洗練され食べやすく寧ろ美味しくなったという声を聞いている。しかし私は怖くてまだバタークリームケーキを口にできないのであった。三つ子の魂百までとはよく言ったものだ・・・

この記事を記す際、参考にさせて頂いたサイト

yahoo知恵袋 栗はフランス語ではマロンではなくシャテーニュなのかについてのベストアンサー

農林水産統計(大臣官房統計部 令和2年4月14日公表)

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