時は昭和、家庭のお風呂のお伴だった♬シャワシャワ♬

家庭用入浴剤といえば、津村順天堂(現在:ツムラ)の入浴剤の雄〝バスクリン〟か体の芯まで温まりイオウの香りが体を突き抜けていた〝六一〇ハップ〟を思い浮かべる昭和っ子が大多数だと思う。だが、かつて「おはようからおやすみまで暮らしを見つめるライオン(現在:今日を愛するLION)」から発売されていた〝シャワシャワ〟という入浴剤の存在が確かにあったのだ。(画像AC/シャワシャワ<ジャスミン>)

ライオンの入浴剤・シャワシャワって何?

それは確かに存在した。津村順天堂のバスクリンに迫るほどの勢いで、昭和の家庭のお風呂場を占拠するほどの勢いがあったライオンの入浴剤〝シャワシャワ〟

昭和50年代(1975年~84年)、昭和の生放送バラエティの金字塔「8時だョ!全員集合」の提供をしていたライオン商品のCMが流れていた。

その中で一際、印象深かったのが昭和52年(1976年)頃だったか?「オーシャンゼリゼ(昭和46年【1971年】ダニエル・ビダルが歌ったVerが日本で大ヒット)」のサビの部分を♬オーシャワシャワ♬と替え歌っているCMだった。CMから繰り出される♬オーシャワシャワ♬はお茶の間のちびっ子たちの心を鷲掴みにしたものである。

それは入浴剤の雄・バスクリンの存在を脅かすほどの勢いであったことは確かな事実であった。

昭和58年(1983年)当時は、ローズ、レモン、ブーケ、ジャスミンの4種類が存在し、後にファミリー層をターゲットにしたシャワシャワとは一線を画した働き盛り世代をターゲットにした「緑のシャワシャワ」なる森林の香りでリラクゼーションを図る入浴剤まで発売されていた。

シャワシャワは別企業に委託し製造されていた製品だった

ライオン株式会社(LION)はボディケア用品(ヘアケア<育毛関連含む>、制汗デオドラント剤、口腔ケア商品)、生活衛生用品(衣類用洗浄剤、柔軟剤、食器用洗剤)
メディカルケア用品(市販薬、栄養ドリンク剤)、ネット通販のみの健康・美容補助食品など取り扱っている製品が多岐に渡るため、部門別で製造販売という形態で今日も歩み続けている。

入浴剤・シャワシャワシリーズは大阪府大阪市に拠点を置く日本精化株式会社に委託し製造されていた製品であった。日本精化はかつて存在した財閥、商社の旧鈴木商店の流れを汲む企業で医薬品から工業用化学品まで様々な分野で使用される化学原料を製造している企業である。医薬品の原料からヘアケア、パーソナルケア関連に使用される香料などを製造している。

創業明治24年(1891年)「小林富次郎商店」から現在のライオン株式会社(LION)に至るまで、世に放った製品は数え切れないほどでそれまでに多くの製品が時代とともに姿を消して行った。

その一つに入浴剤の雄・バスクリンを脅かすほど認知されたはずの〝シャワシャワ〟が含まれてしまった。廃盤となった時期は、ライオンの商品窓口センターに問い合わせてみたところ昭和が終わって間もない平成4年(1992年)のことであった。

LIONのお客様窓口では、該当製品(シャワシャワ)に関するデーターが古いため、お手数をかけてしまったことをこの場を借りてお詫びしつつ感謝の旨を伝えたい。「ありがとうございました!!」
窓口担当(Yさんとさせて頂こう)の対応は見事!完璧!なもので感動すらした私であった。

かつて放送されていたシャワシャワのCMご覧あれ

昭和58年当時のシャワシャワCM
ライオン入浴剤・シャワシャワ新パッケージCM(昭和58年<1983年>)☜クリックしてご覧あれ(画像:Pixabay/Youtubeに投稿されたCM動画から拝借)

CMの中で謎のシンガー・鉄炮光三郎が歌っている一郎と二郎の次から〝たつのり〟〝すぐる〟〝じゅんこ〟〝せいこ〟の名前が登場するが、当時、一世を風靡した有名人の名であろうと推測。

  • 〝たつのり〟は現在、読売巨人軍の監督である原辰徳氏のことであろう。昭和55年(1980年)ドラフト1位で内野手として東海大学から巨人軍入団。入団前から時の人であった。
  • 〝すぐる〟は昭和53年(1978年)ドラフト会議ですったもんだの末、法政大学から指名権を得ていた阪神タイガースから電撃トレードで巨人軍入りした怪物投手・江川卓氏のことであろう。
  • 〝せいこ〟は言わずと知れた昭和55年(1980年)4月に颯爽とデビューし飛ぶ鳥を落とす勢いで〝ぶりっこ〟と揶揄されながらも大人気となったアイドルの権化・松田聖子さんのことであろう。
  • 〝じゅんこ〟は昭和55年(1980年)9月に子役からアイドル歌手としてデビューし、松田聖子さんの対抗馬として注目されたツッパリ路線の三原順子(現在の三原じゅん子参議院議員)さん、もしくは、山口百恵さんの結婚引退の影響により70年代のアイドル界を百恵さんと一緒に盛り立てていた桜田淳子さんの存在が注目されていたこともあり〝じゅんこ〟はこのお二人のどちらかだろう。※ちなみに桜田淳子さんは当時、松田聖子さんの事務所(サン・ミュージック)の先輩でもあった。

これは私の勝手な憶測だが、昭和58年(1983年)ではなく1980年~1982年の前半辺りに放映されたCMではなかろうかと思われる。登場した名前からしてそのような気がするのだが・・。

昭和57年(1982年)後半以降なら、花の82年デビュー組の中で人気を二分した、中森〝あきな〟さん、小泉〝きょうこ〟さん、昭和57年(1982年)のドラフト1位で早稲田実業高校からヤクルトスワローズに入団したアイドル的人気を誇った高校球児、現在日本ハムファイターズの一軍投手コーチの荒木〝だいすけ〟氏あたりの名が登場しそうな気もする。飽くまでも私の主観である。

ご覧になったCMの後半から3人のちびっ子が登場するのだが、そのちびっ子の一人が俳優の山本耕史さん、ナレーションは声優で俳優でもあった はせさん治さんである。

奇しくも、昭和58年(1983年)は入浴剤に革新を齎した、炭酸発砲入浴剤・花王のバブが発売開始となった年でもあった・・・

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